成猫は、子猫と違って新しい環境に慣れるまで時間がかかることが多いです。
　本当は甘えん坊でも、新しい環境に慣れて飼い主さんに甘えるようになるまでには数週間かかることもあります。
　神経質な子や野良生活が長かった猫はさらに数カ月かかることも珍しくありません。

★　猫を早く慣れさせるためにもお迎え当初は次の点を心がけましょう。
　・ケージを利用する
　　　→新しい環境や家族に完全に慣れるまで、猫をフリーにするのは危険です。特に神経質な猫や怖がりの猫は、一度ケージ
　　　から出してしまうと家の中で逃げ回り、今度は捕まえるのが難しくなってしまいます。また、捕まえるために追い掛け回
　　　すことで猫に恐怖心を与えてしまい、さらに猫との距離が開いてしまうという悪循環に陥りますので、しばらくはケージ
　　　から出さないようにしましょう。
　　　　猫は高いところを好むので、ケージは上下運動ができる２段や３段のものを用意し、トイレ、爪とぎ、ベッドなどを入
　　　れてあげましょう。
　　　　最初の数日はケージにシーツや毛布などをかけて暗くします。また猫との接触はケージ越しで行うようにしましょう。
　　　　ケージ内を安全な場所と認識するようになれば、今後のお世話も楽になります。

　・においで安心させる
　　　→猫は匂いに敏感です。いつも使っているトイレの砂やベッド、毛布など自分の匂いのついているものをケージにいれて
　　　おくと落ち着くことがあります。また、香りの強い柔軟剤や香水、芳香剤などは嫌がることが多いので、香りの強いもの
　　　は控えるようにしましょう。

　・構いすぎないこと
　　　→最初の１週間くらいは、必要最小限のお世話だけしてください。
　　「ごはんだよ」「トイレ掃除するよ」など優しく声をかけながら最低限のコンタクトでお世話をするようにしましょう。
　　　　人への興味が増してきたら必ず猫のほうから寄ってくるようになりますから、焦らず気長に慣れさせていきましょう。

　・コミュニケーションのコツ
　　　→徐々にコンタクトできるようになったら、頭やあごのあたりを触ってみましょう。ただし、いつまでもベタベタ触らな
　　　いこと。人に近づくかどうかは猫に任せ、無理やり触ろうとしたり抱こうとしたりするのはやめましょう。特に成猫は抱
　　　っこが苦手な場合が多いです。猫が鳴いたら鳴き声を返す、猫の目を見ながらゆっくりまばたきする、目線をできるだけ
　　　低くするなどを心がけてみましょう。猫の行動（ボディシグナル）をよく観察して、嫌がるそぶりをみせたらすぐにやめ
　　　るようにしてください。